思ひ出の店。

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 下北時代、足繁く通わせて貰った焼き鳥屋さん。
安くて、美味しい、最高のお店だった。
あれから十余年、思い立って環七のバスに飛び乗った。

 お通しは今も変わらない、生キャベツのざく切り。
オリジナルの合わせ味噌は変わらず絶品。
量が少し減ったのは、時代の趨勢か。




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 当時、会社で此方のことを皆に自慢したら、上司に鼻で笑われた。

「ブロイラーの鶏を使ってるから安いんだよ」

 食べてもいないのに、ふざけんなよ、
と思いながらも、抗弁できない自分がいた。



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 いま思えば、料理の味は殆ど食材で決まる、というのは正論だ。
でも、飲食も商売もそれだけじゃないだろうと思ってい
た当時のワシの思いを、訳知り顔で否定した「大人」の上司のひと言は
今でも忘れられない。



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 仕事では青臭く正論をかざして突っかかっていたのに、
何とも情けない若き日の蹉跌。



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 時は流れ、ワシも色々なモノを食した。
世の中はとても広くて、上には上がいることも知った。



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 でも、此方は十余年、多くの贔屓筋を抱え、
脈々とこの地に根付いている。
 一方、大人の上司が関わった事業の幾つかは、だいぶ前に廃業した。
 この事実が、真理なのだと思う。




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 唯一、産地が謳われている、”大山地鶏の唐揚げ”
ワシの中では未だに、世界一。



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 型破りだけど、絶品な、”親子丼”
猿之助曰く、

「型破りとは、型を知っているからこそ効果がある。
型を極めず、勝手に自己流に走るのは、
ただの『型なし』という行為に過ぎない」
 
 この一品はきっと「極めたからこそ」の丼なのだと思う。


by alull | 2014-10-14 23:41 | 美味礼讃(世田谷代田/梅が丘)